果てのない暗闇に居た女は   



00










半年前のxx年3月10日、政治家のストルニー・ストルスの娘とその夫が殺害されていた事件ですが、その場には夫妻の遺体と、犯人グループ16名の遺体が残されており、解剖の結果、銃で体を数ヶ所撃ち抜かれ、ほぼ即死であったとされています。犯人の16名全員が あるマフィアに所属していたことが判明しましたが、半年経った今でも事件の真相が明らかになっていません。夫妻の一人娘の(15)は未だ行方不明となっており、事件に巻き込まれている可能性があるとして現在も捜索中であるとして....................................








テレビから耳に入ってくるニュースキャスターの解説の中に聞いたことのある名前が出てきた。






?この名前、どっかで聞いたことあるようなないような…スクアーロー?コイツ、この女さあ、何か名前聞いたことねぇ?」
「あ゛ぁ??…この前どっかのファミリーに監禁されたって言ってなかったっけかぁ」
「でも、行方不明ってなってんじゃん」
「そこまでは知らねぇよぉ、前の任務先でチラッと聞いただけなんだからよぉ。でも確かミラノだったと思うぜぇ」
「はっきりしないなあ、やっぱ物覚えが悪いっつーか?まあ所詮馬鹿なだけか」
「オイコラ…!」







オレは寝転がっていたソファから立ち上がって、スクアーロに背を向けた。まあ、別にそこまで知りたかったわけじゃないし。ただ何となく。何となく、こいつがどうしたのか気になっただけの話だった。







「じゃ、オレ任務いってくっからー!」
「あら、ベルと丁度入れ違いね。今度はどこに行ってくるの?」
「お、おっかえりールッスーリア!国内だよ、ベネツィア」
「そう、それじゃあ早めに帰ってくるの。じゃあ気をつけてね」
「うしし、気をつけなくても死なないから大丈夫」











任務の内容ってなんだっけ…まあ、どうせボスんとこ行くんだしそのとき確認すればいっか。すぐ終わるようだったら、どっかよってこっかな。…ミラノ?さっきスクアーロはミラノって言ってたよな、女が監禁されてる場所。 ただの好奇心。もし本当だったらちょっと見てみるのも悪くないかもしれない。